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こわい頭痛とこわくない頭痛

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「こわい頭痛」と「こわくない頭痛」

頭痛はありふれた病気です。
頭痛のほとんどは命にはかかわらない「こわくない頭痛」ですが、一部には放っておくと命にかかわる「こわい頭痛」があります。これを区別するのはとても大事なことです。

どうすれば「こわい頭痛」を見分けられるのか、考えてみたいと思います。
頭痛には、大きく分けて二通りあります。一次性の頭痛、つまりいわゆる頭痛持ちの頭痛と、脳などの病気によって起こる二次性の頭痛です。

一次性の頭痛(頭痛持ちの頭痛)

一次性の頭痛持ちの頭痛は、特に病気で起こるわけではない「こわくない頭痛」です。
代表的なものとして、片頭痛(偏頭痛)、緊張型頭痛、群発頭痛などがあります。
頭痛の種類によって、治療法も異なります。

・片頭痛(偏頭痛)は、ズキンズキンと痛むタイプの頭痛で、多くは頭の片側に起こります。
発作的に起こり吐き気を伴ったりする、とてもつらい頭痛です。
身体を動かすのが辛くなり、光や音の刺激で悪化したり(光過敏・音過敏)、匂いに敏感になったりします。
周期的に起こり、仕事の妨げになることもしばしばです。
人によっては、何かチラチラするものが見えてから頭痛が起こります(閃輝暗点)。

・緊張型頭痛は、肩こりなどの緊張に伴う頭痛です。
いわゆる「けんびき」のある人によく起こります。
頭痛の中で最も多いもので、重苦しく、締め付けられる感じがする頭痛です。
また、ストレスの影響が大きく、パソコンを長時間使用する人や、運転手さんにもよくみられます。

・群発頭痛は、頭痛がある期間に集中して、片目の奥に起こるもので、七転八倒するほどのたまらない痛さです。
男性に多いのも特徴です。

一次性の頭痛と診断するためには、くも膜下出血や脳動脈解離、脳梗塞、一過性脳虚血発作、脳腫瘍などによる、二次性の頭痛ではないことの確認が必要です。

二次性の頭痛

◇脳などの病気で起こる二次性の「こわい頭痛」の代表格は、くも膜下出血です。

典型的な症状は「今まで経験したことがない突然の激しい頭痛」で、意識を失うこともあります。
ただし頭痛があまり目立たないこともあり、注意が必要です。ガーンとする衝撃感、気が遠くなる感じや、めまい感などの異変が、いきなり起こることが特徴です。

くも膜下出血の多くは、脳動脈瘤という血管のコブが破裂することで起こります。
再出血が起こるとより重症となってしまうため、緊急の入院と早急な治療を要します。

くも膜下出血の患者さんは、ほとんどは救急車で病院に運ばれます。
しかし、脳外科の外来をしていると、まれに歩いて外来を受診されるくも膜下出血の方がおられます。軽度のくも膜下出血はCTでも診断がつかないことがあり、その場合はMRIや腰椎穿刺の検査が必要となります。
当初は風邪と考えられたものが実はくも膜下出血であったと言うこともありうるため、突然の頭痛を自覚したときは、脳外科のある病院に救急受診するのが良いです。

また最近、脳動脈の解離による頭痛の患者さんの頻度が増えているといわれます。
脳動脈解離による動脈瘤は、椎骨動脈という脳の後方へ行く血管にできることが非常に多く、急性に後頭部の比較的強い痛みを生じます。頭痛の性状からは片頭痛や後頭神経痛などと区別することは困難で、MRI検査で明らかになることがあります。
大抵は何事もなく数ヶ月で回復しますが、まれにくも膜下出血や脳梗塞を起こすことが知られています。

◇脳腫瘍による頭痛は、突然に起こることはあまりなく、数ヶ月から数週間かけて徐々に強くなっていくことがあります。
頭痛に手足のシビレやマヒ、眼の見えにくさ、けいれんなどの神経症状を伴うときは、CTあるいはMRI検査がおこなわれます。

脳腫瘍がすべて悪性のものということはありません。
適切な治療を受ければ元の生活に戻れることも多いので、気になる症状があれば早めに受診することが重要です。

その他の二次性の頭痛としては、髄膜炎、高血圧、低酸素血症、頭蓋骨・頸・眼・耳・鼻・副鼻腔・歯・口の病気によるものなどがあります。


◇一次性の「こわくない頭痛」と二次性の「こわい頭痛」とを見分ける注意点として、以下のようなものがあげられます。

  • 突然の頭痛、今まで経験したことがない頭痛
  • いつもと様子の異なる頭痛
  • 日に日に頻度と程度が増していく頭痛
  • 今までは頭痛などなかったのに、50歳を過ぎて初めて起こった頭痛
  • シビレ・マヒなどの神経症状を伴う頭痛
  • 癌などの病気を持っている方の頭痛
  • 精神状態の変調を伴う頭痛
  • 発熱・嘔吐などを伴う頭痛

これらが当てはまる場合は、「こわい頭痛」でないかどうか、一度専門医のいる病院やクリニックで診断を受けられてはいかがでしょうか。
 

なお、突然の頭痛で身動きもままならない場合は、119番通報で救急車を呼んでください。あるいは、大阪府在住の方であれば、大阪府救急医療情報センターにご相談ください。

高熱に頭痛をともなう場合は、腰椎穿刺という特殊な検査が必要なことがあります。このような場合は受診される前に、まず病院へ電話でお問い合わせされる方が良いと存じます。

また、未成年・小児の頭痛は、精神的・身体的ストレスの関与が大きいといわれます。子供さんの慢性頭痛につきましては、まずは小児科へ受診されることをお勧めいたします。

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