頭痛と吐き気が同時に起こる場合、片頭痛の可能性が高くなります。片頭痛では三叉神経という神経の刺激が脳幹部や視床という脳の中枢に伝わり、延髄にある嘔吐中枢が刺激されるために吐き気、嘔吐が起こります。
片頭痛では自律神経、特に迷走神経の機能が変化することで、胃の蠕動が抑えられて吐き気につながる可能性があるといわれています。片頭痛発作の際には、三叉神経の興奮が脳の血管を拡張させることが、強い頭痛を起こすメカニズムのひとつと考えられています。
片頭痛にはセロトニンやCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)などが関与することが知られています。 セロトニン、CGRPともに消化管の運動にも作用することが知られており、頭痛時に胃の蠕動が弱くなり胃からの排出が遅れるために吐き気につながると考えられます。
朝起きた時に頭痛がしている場合、片頭痛や緊張型頭痛の可能性があります。特に高齢の方の場合、食後に胃などの血管が拡張して起立性低血圧による頭痛が起こることがあります。夜中に頭痛で目覚めるような場合は、他の原因による頭痛を考える必要があります。
片頭痛では、こめかみや前頭側頭部が痛むことが多いです。緊張型頭痛の場合は、両側の側頭部や後頭部の圧迫感または締め付け感が起こります。群発頭痛では、片側の目の奥の激しい痛みが、夜中など一定の時間に連日起こることがあります。
片頭痛のうち前兆のある片頭痛では、キラキラした視覚の異常やしびれ、めまいなどに伴うことがあります。
受診を迷ったときのチェックポイント
このような場合、くも膜下出血や脳腫瘍などによる「こわい頭痛」の可能性があります。すぐに病院へ受診してください。
カフェインは脳血管を収縮させるため片頭痛に有効なことがあります。ただし過剰摂取はカフェイン離脱頭痛を起こすことがあるため、注意が必要です。
片頭痛では光や音に過敏になります。頭痛の際には、部屋を暗くして音を遮断することは頭痛の緩和に有効です。 後頭部やこめかみをアイシングすることで、血管が収縮して片頭痛が緩和されることがあります。
・片頭痛光や音などの刺激を避ける。痛み止めは片頭痛が起こったらできるだけ早く内服、ただし使い過ぎないように注意。
・緊張型頭痛リラックスした姿勢を心掛け、首や肩のストレッチ。暖めることが有効なことが多い。
・月経関連頭痛医師の指導による、生理周期に応じた予防薬治療が有効なことがある。
脳神経外科あるいは脳神経内科、特に日本頭痛学会認定の頭痛専門医への受診が勧められます。ただし突然の症状で「こわい頭痛」の可能性がある場合は、脳神経外科のある病院の救急外来へ受診してください。
・頭痛がいつ始まったか
・痛みの強さ・部位・性質(ズキズキ、締め付けなど)
・吐き気の有無と程度
・視覚の異常や麻痺など神経の症状
頭痛日記をつけて受診時に持参すると、診断や治療方針の検討に役立ちます。スマホアプリ(頭痛管理プログラムなど)が使いやすくお勧めです。
参考:頭痛の診療ガイドライン2021
参考:国際頭痛分類第3版
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初診受付は、9:00~11:30/16:30~18:00 初診は予約不要です。診察の上、頭部MRIは随時施行しています。なるべく早めの時間にご来院ください。 休診日 木曜・土曜日午後・日曜・祝日