寝ると治る頭痛

寝ると治る頭痛とは?

なぜ睡眠で頭痛が和らぐのか

片頭痛では、睡眠によって発作が軽快することがよくあります。そして過眠・睡眠不足は、いずれも片頭痛の誘因となることがあります。

横になると改善するメカニズム

横になって休むと、首の筋肉の緊張が緩んで血流が良くなります。緊張型頭痛では、首や肩の緊張(コリ)が和らぐことで頭痛が改善することがあります。

考えられる頭痛の種類と特徴

片頭痛:神経過敏と血管拡張

片頭痛は、CGRPと呼ばれる神経ペプチドが脳の血管に作用したり三叉神経を興奮させたり、あるいは大脳の神経活動が一時的に亢進することで強い痛みを起こします。睡眠はこの興奮をリセットさせることで、頭痛を軽減させる可能性があります。

緊張型頭痛:ストレスと筋肉の緊張

長時間のデスクワークや運転など、同じ姿勢を続けることで首や肩の緊張が強くなることが、緊張型頭痛を悪化させます。睡眠によって筋肉の緊張が緩み、頭痛が和らぎます。

低髄液圧症候群:姿勢で変わる頭痛の可能性

低髄液圧症候群(脳脊髄液漏出症/脳脊髄液減少症)では、横になって休んでいると頭痛が軽くなり、座ったり立ち上がっていると頭痛が強くなるという特徴があります。

頭痛が睡眠で改善しないケース

夜間頭痛、睡眠時無呼吸症候群との関連

夜間に寝ていて頭痛で目覚める場合、群発頭痛や睡眠時頭痛が疑われます。睡眠時無呼吸症候群では、朝起床時に目覚めと同時に鈍い頭痛を感じるとされます。

受診が必要な兆候

    • 頭痛がだんだん悪化してくる
    • 頭痛が強く、吐き気や嘔吐を伴う
    • けいれん、手足の麻痺、物の見え方の異常など神経症状を伴う
    • 50歳頃を過ぎてから、初めて頭痛が起こる

寝ることで改善する頭痛へのセルフケア

睡眠環境の整え方

    • 暗い部屋で休む
    • 就寝・起床の時間をできるだけ一定にする
    • 寝る前にスマホをみないようにする

カフェインや食事のタイミング

    • カフェイン摂取は午後以降には控える
    • 寝る前に飲食をしない

姿勢とストレッチの工夫

    • 同じ姿勢を長時間続けないようにする
    • 定期的に首・肩のストレッチを行う

医療機関へ受診すべきタイミング

繰り返す強い頭痛や他の症状の併発

    • 繰り返す強い頭痛の頻度が増えている
    • 眠っても頭痛が良くならない

脳の病気との関連が疑われる場合

    • しびれ、物の見え方がおかしい、呂律困難など、頭痛以外に神経の症状がある
    • 痛み止めが効かない、飲む回数が増えてきている

まとめ

「寝ると治る頭痛」は、片頭痛や緊張型頭痛でよく見られる現象ですが、身体が「休息を求めているサイン」ともいえます。日常生活で睡眠習慣を見直し、セルフケアを行うことで予防できることも多くあります。
ただし、「寝ても治らない頭痛」「起きたら悪化している頭痛」は見逃してはいけないサインの可能性があります。必要に応じて専門医を受診し、適切な診断と治療を受けましょう。

記事監修者

院長紹介
院長 高瀬 卓志

院長略歴

  • 京都市出身、慶應義塾大学文学部中退、仮面浪人を経て、昭和63年大阪医科大学(現 大阪医科薬科大学)卒業、医学博士
  • 大阪府三島救命救急センター、大阪医科大学附属病院脳神経外科・麻酔科等にて臨床研修
  • 大阪医科大学脳神経外科助手、北野病院脳神経外科副部長、多根総合病院脳神経外科医長等を歴任
  • 平成20年11月、たかせクリニック開院

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初診は予約不要です。
診察の上、頭部MRIは随時施行しています。
なるべく早めの時間にご来院ください。
休診日 木曜・土曜日午後・日曜・祝日

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