脳梗塞の前兆について
−症状が良くなったから大丈夫?−

※本コラムは脳卒中治療ガイドライン2021[改訂2025]に準拠しています。
診断・治療の方針や緊急性の判断には、医療機関での評価が必要です。

脳梗塞の前兆とは?まず知っておくべき基礎知識

脳梗塞の前兆

脳梗塞は、脳の血管が詰まって脳細胞に血流が届かなくなることによる病気で、前触れなく突然に起こることが多いです。
しかし中には一時的な脳血流の低下による前触れの症状があり、そのしばらく後に本物の脳梗塞を起こすことがあります。
この前兆を、一過性脳虚血発作(TIA)といいます。
TIAは一時的に脳神経の症状が出て、また元に戻るもので、画像検査では急性の脳梗塞がみられないものと現在は定義されています。

これが危険サイン|脳梗塞の代表的な前兆症状

前兆(TIA)、脳梗塞ともに、最初の症状の出方は同じです。

片側の手足や顔に起こるしびれ・麻痺

片側の手足や顔に起こるしびれ・麻痺

突然に顔がゆがむ、片方の口の端が垂れ下がる。
片手を挙げられない、片手/片足に力が入らない。

ろれつが回らない・言葉が出てこない

ろれつが回らない・言葉が出てこない

ろれつが回らず言葉の滑舌が悪くなる。
言いたい言葉が出てこない、人の言うことが何を言っているのか分からない。

片目が見えない・視界が欠ける

片方の目が見えなくなる(片方の目を手で覆うとはっきりします)。
視界の一部が欠けたり、おかしな見え方になったりする。
ものが二重に見える(片目で見ると一つに見える)。

めまい・ふらつき・強い頭痛が突然起こる場合

めまい・ふらつき・強い頭痛が突然起こる場合

めまいやふらつきが単独ではなく、ろれつの不良や手足の動きにくさと同時に起こる場合は、脳梗塞などの危険度が高くなります。
突然に起こる強い頭痛は、脳梗塞以外にくも膜下出血や脳出血などの可能性を疑わせます。

前兆が「一時的に治る」ケースが最も危険な理由

一過性脳虚血発作(TIA)とは何か

TIAとは、脳の血管が一時的に詰まって上記のような症状が起こったものの、数分〜1時間程度のうちに症状が回復することを言います。

症状が数分〜数時間で消える仕組み

脳血管が動脈硬化によって細くなり、そこへ小さな血栓ができて一時的に血流が途絶える。
または心房細動などのためにできた血栓が血流に乗って脳血管に飛んでくる。
一時的に脳血流が途絶えて脳神経の症状が起こるものの、脳細胞が致命的なダメージを受ける前に血流が再開して症状が回復します。

「治ったから大丈夫」が命取りになる理由

症状が回復しても、TIA後は脳梗塞のリスクが高く、3ヶ月以内に概ね3〜18%が脳梗塞を起こし、その約半数は2日以内に起こるとされます。
高血圧や糖尿病などがあると、そのリスクは高くなります。
また症状が良くなっていても、MRIなど画像検査では脳梗塞が出現していることもあり、自己判断は禁物です。

今すぐ病院へ行くべきか?受診判断の目安

救急車を呼ぶべき症状・呼ばなくてよい症状?

次の症状のどれか一つでも、何時何分かと言えるぐらいに突然に起これば、迷わず119番通報してください。

  • 顔のゆがみ
  • 片手/片足が動かない
  • ろれつが回らない、言葉が出ない
  • 片目が見えない
  • 歩けない、飲み込めない
  • 今まで経験したことのない頭痛

覚え方としては、FASTがあります。

  • Face(顔)
  • Arm(腕)
  • Speech(言葉)
  • Time(時間:発症時刻を確認)

一旦症状が治まっても、TIAなどの可能性はあるので緊急性がないとは言えません。

何科を受診すればいいのか(脳神経外科・脳神経内科)

突然の症状の場合、119番通報が最優先です。
症状が軽いように思える場合でも、早急に脳神経外科や脳神経内科、病院の救急外来へ受診することが重要です。

受診時に医師へ正確に伝えるべきポイント

受診時には以下の情報が重要です。

  • 発症した時刻(最後にいつも通りだった時刻)
  • 症状の内容(言葉が出ない、右手が上がらない、片目が見えない、など)
  • 内服中の薬(とくに血をサラサラにする薬など)
  • 既往(血圧・糖尿・コレステロールや不整脈など)

脳梗塞の前兆を見逃さないためにできること

本人より家族・周囲が気づくべきサイン

本人より家族・周囲が気づくべきサイン

脳梗塞では、人からみた様子が重要なことがあります。

  • 顔のゆがみ、表情の左右差
  • コップを落とすなど、片手の動きがぎこちない
  • 会話が噛み合わない、言っていることが理解できない
  • 歩き方がおかしい
  • 日時の感覚が急におかしくなった

発症リスクが高い人の特徴(年齢・生活習慣)

年齢とともにリスクが上昇することは事実です。
予防のためには、動脈硬化の原因となる持病の管理と生活習慣の改善が重要です。
危険因子として、高血圧症、糖尿病、高コレステロール血症、心房細動が挙げられます。
喫煙や過量の飲酒など生活習慣の問題も、脳卒中のリスクに大きく関わります。

前兆が出た後に再発を防ぐための考え方

前兆(TIA)や脳梗塞が軽くて済んだあとは、再発の予防が大切であることを忘れてはいけません。

  • 血圧・糖尿・コレステロールの管理
  • 禁煙・節酒・減塩・減量維持・習慣的な運動
  • 心房細動がある場合、循環器内科での治療が必要となることがあります。

脳梗塞の前兆を疑ったら、迷わず早めの対応を

突然の片麻痺・言語障害・視覚障害は、かりに数分で治っても要注意です。
「治ったから大丈夫」ではなく、「治ったからこそ急いで診断・治療を」と考えましょう。

お問い合わせ

頭痛のことでお困りでしたら大阪の脳神経外科たかせクリニックご相談ください。

TEL:06-4393-9988

初診受付は、9:00~11:30/16:30~18:00
初診は予約不要です。
診察の上、頭部MRIは随時施行しています。
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休診日 木曜・土曜日午後・日曜・祝日

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