脳卒中や心筋梗塞は、ともに突然起こる病気で、脳梗塞・脳出血・くも膜下出血などをまとめて脳卒中と言います。

症状はなかったのに…「突然」のウソ 原因は過去にある|日刊ゲンダイヘルスケア

脳卒中にかかってしまうと、手足の麻痺や言葉の問題が遺って元の生活に戻れなくなることも多く、寝たきりになってしまうことも少なくありません。

脳外科医として病院勤務していた頃は、脳卒中に倒れて緊急入院される患者さんの治療にあたることが、日常的にありました。入院される際に脳梗塞(あるいは脳出血など)を起こされましたとご説明すると、「昨日までは元気だったのに、どうして…?」とおっしゃる方が多くおられました。

でも実は突然のことではなく、危険は前からあったかも知れないのです。

なかには、もともと脳の血管の問題があったりして、ご本人にはどうにもできなかったようなケースも、時にあります。

しかし例えば、高血圧や糖尿などを指摘されていたのに放置していたり、薬は飲んでいても管理が不十分だったり、喫煙を続けていたり、肥満であるのに食事を節制しなかったりなど、危険因子があることに無頓着であったと思われる方は多くおられます。このような危険因子を正しくコントロールすることで脳卒中のリスクを減らせることは、数多くのデータから証明されています。

今からでも遅くはありません。まずは体重を計り血圧を測定する習慣をつけることから始めましょう。そして健診を受けましょう。すでに通院をはじめている方は、必要な検査は受けて、分からないことは主治医によく話を聞きましょう。

医療法人脳神経外科たかせクリニック